接骨院・整骨院で働く柔道整復師|仕事内容や働き方について解説

更新日 2023年12月04日 公開日 2023年12月04日

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日本の伝統医療である「柔道整復」を行う治療院として、接骨院・整骨院があります。「接骨院と整骨院はどう違うの?」という言葉を耳にすることもありますが、この2つは呼び名が異なるだけで、施術の内容について大きな違いはありません。接骨院・整骨院はともに柔道整復師が開業した施設であり、骨折、脱臼、打撲、捻挫、挫傷などのけがに対して、手技を使った施術を行っています。

この記事では、接骨院・整骨院における柔道整復師の働き方や柔道整復施術の具体的な内容、整骨院と整体院の違いなどについて解説します。柔道整復師の仕事内容に興味がある方や、柔道整復師を目指している方は、ぜひご覧ください。

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接骨院・整骨院で働く柔道整復師|仕事内容や働き方について解説

柔道整復師が働く「接骨院・整骨院」とは?

接骨院・整骨院は、日本古来の武術である柔術と整復術が結びついて生まれたもので、「ほねつぎ」や「柔道整復院」とも呼ばれています。

接骨院・整骨院では、柔道整復師の国家資格を持った施術師が働いており、日常生活やスポーツ活動中、仕事中などに発生したけがに対して、専門の知識・技術を用いた施術を行い、患部の自然治癒力を高めていきます。

接骨院・整骨院での施術の対象となるのは、下記のようなケースです。

・運動をしていて肉離れを起こした
・事故にあって骨折した
・仕事中に足を打って打撲症状が出た
・家の中でつまずいて捻挫した など

接骨院・整骨院では、骨折、脱臼、打撲、捻挫などに対してさまざまな手法でアプローチし、組織の修復力を高めることで、症状の緩和につなげます。また、施術を行った後、継続的に患部の状態を確認するのも柔道整復師の役割です。その際には、外傷のリスクを抑え、動作のパフォーマンスが向上するようにサポートを行います。

ただし、骨折・脱臼を治療する場合、応急手当以外は医師の同意が必要となります。

(出典:公益社団法人愛知県柔道整復師会「接骨院とは?」/https://www.shadan-aisei.jp/sekkotsuin/

(出典:公益社団法人日本柔道整復師会「柔道整復師・整骨院・接骨院について」/https://www.shadan-nissei.or.jp/kakarikata/how-to-use/judoseifukushi/

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整骨院と整体院の違いは?

整骨院と似た名前の施設に整体院があります。では、2つの施術所には一体どのような違いがあるのでしょうか。整骨院と整体院の主な特徴は以下の通りです。

整骨院 整体院
資格 柔道整復師国家資格 必要なし・民間資格
保険 保険診療 自費診療
主な施術対象 急性的な症状 慢性的な症状

整骨院と整体院は、「体の調子を整える」という意味では似た存在ですが、資格の有無や保険適用の可否、施術対象などが異なります。

整体院で働くのに国家資格は必要なく、整体やカイロプラクティックなどの民間資格を取得するのが一般的です。また、整体師は、医療行為にあたる「治療」を行うことができないため、施術によって体のゆがみを整え、慢性的な腰痛や肩こりの解消、疲労回復などをサポートするのが主な役割となります。

一方で、接骨院・整骨院には国家資格である柔道整復師が在籍しており、骨折、脱臼、打撲、捻挫などのけがに対して施術を行います。なお、接骨院・整骨院の施術(外傷性のけがに対する施術)には保険診療が適用され、その点も整体院との大きな違いと言えるでしょう。柔道整復の施術を許可されているのは、医師を除いては柔道整復師だけであるため、柔道整復師が在籍していない限り、整体院は柔道整復を行えません。

(出典:公益社団法人日本柔道整復師会「柔道整復師・整骨院・接骨院について」/https://www.shadan-nissei.or.jp/kakarikata/how-to-use/judoseifukushi/

(引用:e-Gov法令検索「昭和四十五年法律第十九号 柔道整復師法」/https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345AC1000000019

【関連リンク】柔道整復師と整体師はどう違う?
資格・仕事内容・勤務先を解説

接骨院・整骨院で働く柔道整復師の仕事内容

柔道整復師は高い技術と知識を生かし、手術や薬を使わずにけがの応急処置や治療を行う、やりがいのある仕事です。

では、接骨院・整骨院で働く柔道整復師は、具体的にどのような活動をしているのでしょうか。以下の2つに分けて解説します。

・症状の評価
・施術

患者さまの症状を評価する

柔道整復師が最初に行うのは、損傷の程度や患者さまの状態について評価することです。ここで適切な評価を行い、痛みや不調の原因を見極めなければ、効果的な施術にはつながりません。

柔道整復師が患者さまの症状を確認する際には、以下の3つの方法で評価します。

問診

患者さまの痛みやけがの状態を把握するためには、しっかりとしたヒアリングが不可欠です。接骨院・整骨院ではレントゲンやCT、MRIなどを使用できないため、問診によって症状が発生した原因や状況、痛む部位、痛みの強さなどの細かな情報を収集・把握します。

また、患者さまの要望を聞くなどして、不安な気持ちに寄り添うことも大切です。

視診
視覚的に損傷の状態や痛む部位を観察します。視診では、患者さまの姿勢、歩き方、関節の角度や動きなど多角的な視点から、気になるところをしっかりと確認することが重要です。
触診
損傷部に直接触れて、症状の度合いや筋肉の反応などを確認。同時に脈拍も測り、数値に異常はないかを調べます。

これらの診断から総合的に患者さまの症状を評価し、それをもとに施術方針を決定します。

施術を行う

柔道整復師が行う施術は、「整復法」「固定法」「後療法」の3つに大別されます。それぞれの特徴や施術内容は以下の通りです。

整復法

整復法は骨折や脱臼によって、ずれたり外れたりした骨を元の状態に戻すための治療法です。施術では患部の状態を把握した上で、けん引や圧迫などのアプローチを行います。

ずれたり外れたりした骨が、他の神経や血管にダメージを与えている可能性もあるため、施術の際は患者さまの表情や顔色、しびれの有無などを確認することも重要です。

固定法

固定法は、症状の出ている場所を回復しやすい状態に保つ治療法で、安静、冷却、圧迫、挙上という4つの方法があります。

・安静:ギプスや三角巾、テーピングなどを使用して、患部を固定する方法
・圧迫:パッドやスポンジなどを押し当てながら、患部を固定する方法
・冷却:氷を入れたビニール袋やアイスバッグなどで、患部を冷やす方法
・挙上:クッションや枕を使って、患部を心臓より高い位置に持っていく方法

後療法

後療法は、患部に刺激を与え、血行を促進したり組織を活性化したりすることで、機能の回復を早める治療法です。後療法には手技療法、物理療法、運動療法の3つの方法があります。

・手技療法:手を使って揉んだり叩いたりすることで、自然治癒力を高める方法
・物理療法:温熱、電気、超音波、光などを使って、患部に刺激を与える方法
・運動療法:患部を動かすことで、低下した身体機能を回復させる方法

柔道整復師は、症状の回復や痛みの緩和につながるように、適切な手法で施術を行う必要があります。なお、柔道整復師が骨折、脱臼の治療を行う場合は、医師の同意が必要です。

第十七条 柔道整復師は、医師の同意を得た場合のほか、脱臼又は骨折の患部に施術をしてはならない。ただし、応急手当をする場合は、この限りでない。

(引用:e-Gov法令検索「昭和四十五年法律第十九号 柔道整復師法」/https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=345AC1000000019/引用日2023/2/1)

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資格取得方法・必要な費用相場を解説!

接骨院・整骨院における柔道整復師の働き方

柔道整復師の働き方は、接骨院・整骨院の営業時間やシフト体制によって変わります。

マイナビコメディカルの求人情報を見ると、基本的には週休2日のところが多い傾向でしたが、施設によっては週休3日に対応しているところもあります。また、日によって異なる営業時間を設けている接骨院・整骨院も見られました。

勤務時間については、休憩を3時間(12時から15時まで)設けるなど、中抜けシフトを採用している施設が多く見られます。

休日に関しては、平日の特定の曜日を休日に設定していたり、平日と土曜日を定休日にしていたりとさまざまです。立地や施設の方針によっては日曜日や祝日が休日のところもあるため、自分のライフスタイルに合った接骨院・整骨院を探すのがよいでしょう。

下記に、接骨院・整骨院で働く柔道整復師の1日のスケジュール例を2つ紹介します。

【スケジュール例1】

8:30 出勤(清掃、スタッフミーティング、カルテの確認など)
9:00 施術開始
12:00 休憩
14:00 施術開始
18:30 施術終了(ミーティング、カルテ確認・技術指導など)
19:00 帰宅

【スケジュール例2】

8:30 出勤(清掃、スタッフミーティング、カルテの確認など)
9:00 施術開始
12:00 休憩
15:00 施術開始
20:00 施術終了(ミーティング、カルテ確認・技術指導など)
21:00 帰宅

一般的なビジネスパーソンに近いスケジュール例がある一方で、中抜けシフトで20時ごろまで営業している場合もあります。また、都市部には、仕事帰りでも立ち寄りやすいように、夜間22時ごろまで営業する接骨院・整骨院も存在します。

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まとめ

接骨院・整骨院は「ほねつぎ」や「柔道整復院」とも呼ばれます。接骨院・整骨院では、国家資格取得者である柔道整復師が、骨折、脱臼、打撲、捻挫などの症状に対して手技を使った施術を行い、患部の自然治癒力を高めていきます。整骨院と整体院は、名称や「体の調子を整える」という役割こそ似ていますが、国家資格の有無や保険診療の可否、施術内容などが異なる点に注意が必要です。

接骨院・整骨院で働く柔道整復師は、「問診」「視診」「触診」でけがの状態を把握した上で、「整復法」「固定法」「後療法」などの施術を行います。

なお、柔道整復師の働き方は、勤務先の営業時間やシフト体制によって異なり、一般的なビジネスパーソンのスケジュールに近い例もある一方で、中抜けシフトを採用して夜間まで営業する接骨院・整骨院も存在します。

柔道整復師として転職を考えている方は、ぜひマイナビコメディカルにご相談ください。業界に精通した専門のアドバイザーが、希望に合った求人をご案内するほか、履歴書・職務経歴書の添削や面接対策、入職後のアフターフォローまで、しっかりサポートいたします。

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※当記事は2023年2月時点の情報をもとに作成しています

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