治験コーディネーターの仕事はなぜきつい?辛い?よくある理由と対処法
治験コーディネーターは治験を円滑に進めながら、医療分野の新しい可能性に触れることができる仕事です。
長期間かかわった新薬や治療方法が、無事に公開されるに至ったときの喜びや達成感には、計り知れないものがあるでしょう。
一方で、さまざまな原因によって、仕事がきつい・辛いと感じる治験コーディネーターも少なくありません。
今回は、治験コーディネーターが辛さを感じる理由と、仕事がきつい・辛いと感じた場合の対処法を解説します。
治験コーディネーターが転職するときのポイントも紹介するため、現在の職場環境がきつい・辛いと感じている人はぜひ参考にしてください。
目次
治験コーディネーターが辛さを感じる4つの理由
治験コーディネーターは、患者さんに寄り添い、実際に治療薬の効果を目の当たりにできるなど、非常にやりがいのある仕事です。
一方で、自分が抱いていた理想と異なる現実を目の当たりにして、仕事がきつい・辛いと感じる場面もあるのではないでしょうか。
ここでは、治験コーディネーターが辛さを感じる代表的な理由を4つ紹介します。
利益を重視しなければならない
医療に携わる人間にとって、「患者さんのため」ではなく、企業や病院などの「利益」を重視しなければならない場面は辛いものがあるでしょう。
治験コーディネーターは、「治験」を円滑に実施するために関係各所を調整する仕事です。
病気を「治療」するための仕事ではないため、患者さんの適性よりも治験依頼者や医療機関の意向が重視されるケースが多くなります。
中には、既存の薬では効果が得られずに「治験薬が頼みの綱である」という患者さんもいますが、そのような例は少数派です。
必要なデータを確保するために、新薬を特に必要としない患者さんに対して治験参加を提案したり、契約費用の高い治験薬を勧めたりするケースもあるでしょう。
企業・病院の利益があまりに重視されている環境の場合、「病気の人を助けたい」と思って治験コーディネーターになった人にとっては、きつい・辛いと感じることが多い傾向です。
デスクワークや管理作業が多い
治験コーディネーターの仕事は、治験に必要な書類を作成したり、治験参加者の日程を管理したりする事務スキルが必須となります。
治験の準備段階では治験実施計画書をもとに資料を作成し、治験中・治験後には検査データの入力や検査結果の報告書作成などが必要です。
治験の進め方によっては、必要な条件から逸脱したり、脱落者が出たりするケースもあるため、一例も逃さないようにスケジュールを組まなければなりません。
また、症例や治験薬によっては年単位の計画が必要となるだけでなく、治験の経過に合わせた柔軟な対応・スケジュール変更などが必要です。
想像以上にデスクワークや管理作業が多い仕事のため、事務仕事がきつい・辛いと感じる人が多くいます。
人間関係の構築が難しい
治験には、治験コーディネーター以外にも、医師・看護師・製薬会社の社員など、多くの関係者が携わります。
そのため、治験関係者と知り合ってから全員と信頼関係を築けるまでには時間がかかり、中には苦労する人もいるでしょう。
違う立場・時間軸で働く各関係者のスケジュール調整を行うことは、想像以上に気を使う作業です。
特に治験施設支援機関(SMO)に所属し、医療機関に派遣される治験コーディネーターの場合は一から関係を築かなければならないため、気苦労を感じやすい傾向にあります。
ワークライフバランスの確保が難しい
治験コーディネーターは、治験中の被験者に副作用の反応が起こったり、重篤な状態に陥ったりした場合、基本的に医師への報告を24時間以内に行うことが義務となります。
そのため、治験の実施中は被験者に有害事象が起きた場合を考慮し、常に連絡が取れる状態を維持しなければなりません。
異変の発生はいつ起こるか分からず、夜中や休日であっても電話がかかってくる場合があります。
また、基本的に治験コーディネーターは、複数の治験を並行して担当します。
そのため、過密なスケジュールになってしまった場合や、業務に慣れるまではなかなか心身の休まる暇がなく、仕事が辛いと感じる人が多くいる傾向です。
仕事がきつい・辛いと感じた際の3つの対処法
「治験コーディネーターとして働くことがきつい・辛い」と感じているにもかかわらず、何の対処もせず仕事を続けた場合、心身の健康を害する恐れがあります。
場合によっては、治験そのものに悪影響を及ぼすことになりかねません。
仕事がきつい・辛いと感じたときは、いくつかの手段を試すことで、やる気が回復するケースも多くあります。
ここでは、治験コーディネーターの仕事をきつい・辛いと感じた際の対処法を3つ紹介します。
同僚同士でフォローできる体制を整える
治験コーディネーター同士で互いの仕事をフォローし合える体制を整えることで、仕事にかかるストレスの軽減が可能です。
医療機関に所属する治験コーディネーター同士であれば、日頃から互いの業務内容が把握しやすい環境にあるため、フォロー体制を整えやすいでしょう。
一方で、製薬会社などに所属する治験コーディネーターの場合、同僚とはいえ同じ医療機関に出向するとは限りません。
互いの仕事状況が把握しにくい環境にあるため、特定の治験コーディネーターに業務が集中していても気付けないケースがあります。
そのため、業務の可視化を行い、各スタッフが互いの業務量を確認できる体制を整えることが大切です。
業務過多に陥りそうな際は、互いが自然と助け合えるような環境を作りましょう。
業種を変える
業務量や業務にかかる緊張感ではなく、「仕事の内容自体がきつい・辛い」と感じる場合は、業種そのものを変えることも選択肢の一つです。
治験コーディネーターの国家資格を持っているからといって、何も治験コーディネーターの仕事のみにこだわる必要はありません。
保有している医療系資格・知識・これまでの経験を生かして、病院やドラッグストアなどの医療職に転職する人は多くいます。
また、薬剤師資格を持つ治験コーディネーターであれば、調剤薬局へ転職するのも良いでしょう。
職場環境を変える
治験コーディネーターの仕事自体は好きな人や、現在の職場の待遇に不満がある人は、職場環境を変えることで辛さが解消される可能性があります。
職場の人間関係や労働環境に不満があり、上司や同僚に相談しても改善が見込めない場合は、転職を検討しましょう。
また、治験コーディネーターとして働きながらも、看護師・臨床検査技師などの資格を活かして医療行為に携わりたい人は、「院内治験コーディネーター」への転職がおすすめです。
治験施設支援機関で働く人は、医療機関の職員ではないため治療行為を行えませんが、病院内の治験コーディネーターであれば、医療資格に応じた医療行為が行えます。
新たな職場でキャリアアップを目指すことで、治験コーディネーターとして生き生きと働くことができるようになるでしょう。
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治験コーディネーターが転職するときのポイント
治験コーディネーターが転職する場合は、転職する目的・条件を明確にすることが重要です。
転職する目的を明確にしなければ、転職先の条件として何を重視すべきかを定められません。
ワークライフバランスを整えたい場合は残業が少ない職場、専門性を高めたい場合は専門病院の所属を目指すなど、転職目的・条件によって選ぶべき方向性は異なります。
転職してから後悔しないためにも、将来を見据えた上で転職活動をしましょう。
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まとめ
時に、製薬会社や医療機関の利益を重視しなければならない治験コーディネーターの仕事は、医療関係者としての志が強い人にとって辛く感じることがあります。
他にも、治験コーディネーターがきつい・辛いと感じる理由として、事務作業が多く人間関係の構築が難しいことや、ワークライフバランスの取り方が難しいことなどが挙げられます。
同僚同士でフォローできる体制を整えるなど、業務の負担を軽減することも可能ですが、転職して勤務先や業種自体を変えることも一つの手段でしょう。
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