柔道整復師のスキルアップ方法は?ダブルライセンスにおすすめの資格も

更新日 2024年01月26日 公開日 2024年01月26日

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「ほねつぎ」や「接骨師」として知られる柔道整復師は、骨折、脱臼、打撲、捻挫などに対して、整復・固定・後療法といった出血を伴わない方法(非観血的療法)で治療を行う職業です。柔道整復師は、接骨院・整骨院のほか、医療機関、介護施設、スポーツ施設など、幅広い分野で活躍していますが、患者さま、利用者さまから求められる柔道整復師になるには、常に新しい知識や技術を取り入れ、スキルアップを目指す必要があります。

当記事では、柔道整復師のスキルアップ方法を詳しく解説します。長く柔道整復師として活躍し続けたい方や、これから柔道整復師を目指したい方は、ぜひ参考にしてください。

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柔道整復師のスキルアップ方法は?ダブルライセンスにおすすめの資格も

柔道整復師のスキルアップ方法①:ダブルライセンスを目指す

国家資格である柔道整復師は、資格を取得することで接骨院や整骨院、医療機関など、さまざまな職場で働くことができます。しかし、柔道整復師の有資格者や接骨院・整骨院の数は年々増加傾向にあるため、柔道整復師として長く活躍するには、スキルアップを目指すことも必要です。

たとえば、スキルアップに向けてダブルライセンスを目指すのも1つの方法です。特に、医療や介護、スポーツ分野などで役立つ資格を取得すれば、できる施術の幅が広がり、患者さまや利用者さまからより必要とされる柔道整復師になれるでしょう。

ここでは、柔道整復師のスキルアップに役立つ資格を5つ紹介します。

鍼灸師

鍼灸師とは、はり・きゅうを使って体のツボを刺激し、病気やけがの回復、予防をサポートする職業です。東洋医学では、体内の気のめぐりが悪くなると病気になりやすいと考えられており、はりやきゅうで症状に合ったツボを刺激し、気の流れをよくすることで、人間本来の自然治癒力が高まると言われています。

(出典:公益社団法人日本鍼灸師会「鍼灸の基礎知識」/https://www.harikyu.or.jp/acupuncture/acupuncture-02/

鍼灸師は、はり師・きゅう師両方の資格を取得している方の呼び名であり、日本で鍼灸施術を行うには、はり師・きゅう師の国家資格が必要です。国家資格を取得するには、高校を卒業した後に鍼灸専門学校や鍼灸大学、視覚障害者のための養成機関などに3年以上通わなければなりません。

養成機関ではり・きゅうの知識と技術を習得し、国家試験に合格するとはり師・きゅう師の資格が取得できます。はり師ときゅう師は別々の資格ですが、実際には両方を取得し、はりときゅうを使い分けながら施術している方がほとんどです。

(出典:厚生労働省 職業情報提供サイト(日本版O-NET)「はり師・きゅう師」/https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/175

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理学療法士

理学療法士は、けがや病気などで体に障害のある方や障害の発生が予測される方に対して、自立した日常生活が送れるようにサポートする、リハビリテーションの専門職です。具体的には、座る、立つ、歩くといった基本動作能力の維持・回復、あるいは障害の悪化予防を目的に、運動療法や物理療法などを用いたリハビリテーションを実施します。

(出典:公益社団法人日本理学療法士協会「理学療法士とは」/https://www.japanpt.or.jp/about_pt/therapist/

理学療法士の国家試験を受験するには、大学や短期大学、専門学校、視覚障害者のための特別支援学校といった養成校で3年以上学び、必要な知識・技術を身に付ける必要があります。資格取得後、さらに専門的な知識を身に付けたい場合や研究職を目指す場合などは、大学院(修士課程・博士課程)に進む道もあるでしょう。

なお、すでに作業療法士の資格を取得済みの方は、養成校に2年以上通うことで受験資格を取得することが可能です。

(出典:公益社団法人日本理学療法士協会「理学療法士になるには」/https://www.japanpt.or.jp/about_pt/aim/

【関連リンク】理学療法士(PT)とは?
仕事内容や作業療法士との違いについて

アスレティックトレーナー

アスレティックトレーナーは、スポーツ選手などがベストの状態を保てるように、スポーツドクターやコーチと協力し合いながら、トレーニング、コンディショニング、健康管理などをサポートする仕事です。アスレティックトレーナーの主な役割は以下の通りです。

【アスレティックトレーナーの役割】

  • ・スポーツ活動中における事故や外傷の予防
  • ・外傷を負ったときなどの応急処置
  • ・コンディショニングやリコンディショニングのサポート
  • ・健康管理のアドバイス など

アスレティックトレーナーになるのに、特別な資格は必要ありません。しかし、実務ではトレーニングやコンディショニングの方法、応急処置の方法など多くの知識が求められるため、関連資格を取得することで、より適切なサポートが行えるようになるでしょう。

関連資格の1つである「日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー」は、トレーナー資格のなかで唯一の文部科学大臣事業認定資格です。受講条件は「満20歳以上で、JSPO、JSPO加盟団体及び、JSPOが特に認める国内統轄競技団体から推薦され、受講者選考基準を満たす者」となっており、共通および専門科目のカリキュラムを受講後、検定試験に合格することで資格を取得できます。

(出典:公益財団法人日本スポーツ協会「アスレティックトレーナー」/https://www.japan-sports.or.jp/coach/tabid218.html

メディカルトレーナー

メディカルトレーナーは、アスリートのコンディション管理やリハビリ、高齢者や病気・けがをした方の運動機能の回復などを担う仕事です。病気やけがをした方が元の生活に戻れるように支援するほか、精神的なサポートも行います。

メディカルトレーナーになるには、高校を卒業後、大学、短期大学、専門学校などでメディカルトレーナーに必要な知識・技術を学ぶのが一般的です。将来メディカルトレーナーを目指すなら、リハビリテーション、栄養学、スポーツ医学、応急処置などの知識・技術が身に付く学部、あるいは専門学校を選ぶのがおすすめです。

アスレティックトレーナーと同様、メディカルトレーナーにも特別な資格は必要ありませんが、関連資格を取得することで仕事の幅が広がるでしょう。

サポートケアリフレクソロジー

サポートケアリフレクソロジーとは、医療や介護などの現場において、高齢者や体の不自由な方にケアを行える技術者であることを認定する資格です。

(出典:日本リフレクソロジスト認定機構「サポートケア/デイリーケア リフレクソロジスト」/https://www.jrec-jp.com/reflexology/reflexology_sd/

サポートケアリフレクソロジーは、柔道整復師をはじめ医療・介護に関する国家資格取得者が取得できる資格です。受験資格を得るには、JREC(日本リフレクソロジスト認定機構)の加盟校で「看護・介護に役立つリフレクソロジー応用講座」を修了する必要があります。

2日間の指定研修会では、高齢で寝たきりの方、車いすをご利用の方などを想定した施術方法や注意事項、アロマセラピーなどの講義を学習。その後、研修会で実習した技能の修得度を判定する実技試験に合格すれば、サポートケアリフレクソロジーの資格が取得できます。

(出典:日本リフレクソロジスト認定機構「サポートケア/デイリーケア リフレクソロジスト」/https://www.jrec-jp.com/reflexology/reflexology_sd/

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柔道整復師のスキルアップ方法②:介護の知識を身に付ける

接骨院や整骨院、医療機関だけでなく、介護業界でも多くの柔道整復師が活躍しています。急速な高齢化が進むなか、介護業界における柔道整復師の需要は今後も高まっていくと考えてよいでしょう。

柔道整復師が介護業界で活躍する場合は、以下のような選択肢があります。

機能訓練指導員
機能訓練指導員とは、利用者さま1人ひとりの心身状態に合わせて機能訓練やリハビリを行い、充実した日常生活を営めるように支援する職種です。介護保険法において、機能訓練指導員は「日常生活を営むのに必要な機能の減退を防止するための訓練を行う能力を有する者」と定められており、柔道整復師や理学療法士、看護師などの医療系国家資格を持っている方がその対象となります。

高齢者施設では各施設に機能訓練指導員を1名以上配置しなければならないため、柔道整復師は高齢者施設においても高い需要があります。また、近年は「機能訓練(リハビリ)特化型デイサービス」と呼ばれる、機能訓練を目的とした施設も増加しており、柔道整復師はそうした施設でも活躍できるでしょう。

(出典:公益社団法人日本柔道整復師会「日本機能訓練指導員協会」/https://www.shadan-nissei.or.jp/services/rehabilitation/

(出典:厚生労働省「介護人材関係について」/https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000186484.pdf

ケアマネジャー
機能訓練指導員としての経験を積み、知識を深めた後、ケアマネジャーとしてキャリアアップを目指すのもおすすめです。ケアマネジャーとは、介護や支援を必要とする方が適切な介護保険サービスを受けられるようにケアプランを作成したり、サービス事業者との調整を行ったりする仕事で、正式名称を「介護支援専門員」と言います。

ケアマネジャーになるには、5年以上の実務経験を積んだうえで、実務研修受講試験に合格する必要があります。試験の合格率は10〜20%と低めで、片手間で取得するのは困難な試験です。しかし、ケアマネジャーは機能訓練指導員以上に需要が伸びると予測される職業のため、「介護の現場で働いてみたい」という柔道整復師の方は、資格取得を検討してみるとよいでしょう。

(出典:厚生労働省「介護支援専門員(ケアマネジャー)」/https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000114687.pdf

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まとめ

柔道整復師として長く活躍していくためには、ダブルライセンスを取得したり、介護分野の知識を身に付けたりしながらスキルアップを図るのがおすすめです。柔道整復師の今後の需要を見極めながら、患者さま、利用者さまからより必要とされる柔道整復師を目指しましょう。

今後のキャリアプランにあわせて転職活動を検討している方は、ぜひマイナビコメディカルにご相談ください。専属のキャリアアドバイザーがみなさまの希望に寄り添い、キャリア形成のお手伝いをさせていただきます。

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※当記事は2023年2月時点の情報をもとに作成しています

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