柔道整復師国家試験の合格率は?新卒・既卒で合格者数が変わる理由も

更新日 2022年11月11日 公開日 2021年12月01日

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柔道整復師は近年、医療・介護福祉・スポーツの分野など幅広い場面で活躍しています。特に介護の分野において、機能訓練指導員として働くことのできる柔道整復師の需要は増加傾向です。

この記事では、柔道整復師国家試験の合格率の推移から学校別の合格状況、関連資格の合格率との比較、柔道整復師の合格率に関する3つのトピックまでをご紹介します。柔道整復師国家試験に興味を持つ方は、試験の難易度や合格率などを把握し、学校選びなどに役立てていただければ幸いです。

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柔道整復師国家試験の合格率は?

2021年時点における、柔道整復師国家試験の合格基準は次のとおりです。

  • 1. 必修問題:50点満点(1問1点×50問)中、40点(80%)以上獲得
  • 2. 一般問題:200点満点(1問1点×200問)中、120点(60%)以上獲得
  • 3. 1.2.いずれの基準も満たしていること

(出典:厚生労働省「第29回柔道整復師国家試験の合格発表について」/https://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/successlist/2021/siken16/about.html

以下では、過去7年分の柔道整復師国家試験の合格率の推移をご紹介します。

柔道整復師国家試験の合格率
実施年度 受験者数 合格率 新卒の合格率 既卒の合格率
2021年度 4,561 66.0% 85.6% 21.6%
2020年度 5,270 64.5% 84.8% 16.5%
2019年度 6,164 65.8% 86.1% 26.3%
2018年度 6,321 58.4% 78.5% 16.7%
2017年度 6,727 63.5% 82.9% 22.5%
2016年度 7,115 64.4% 82.3% 22.6%
2015年度 6,858 65.7% 80.8% 14.7%

(出典:公益財団法人柔道整復研修試験財団「1.柔道整復師国家試験の実施」/https://www.zaijusei.com/introduction_1_shiken.html

毎年4,000人を超える方が柔道整復師国家試験を受験し、2018年を除くと60%以上が合格しています。1992年に行われた第1回の試験の受験者数・合格者数が1,000人程度であったことと比べると、受験者数・合格者数ともに大幅に増加したと言えるでしょう。

しかし、合格率は年々低下傾向にあり、過去に比べると難易度が増していることがうかがえます。

【学校別】柔道整復師国家試験の合格率

ここでは、柔道整復師国家試験の合格率を学校別にご紹介します。下表は受験者数が70名以上を抜粋したものです。

【学校別】柔道整復師国家試験の合格率(受験者70名以上を抜粋)
学校名 受験者数 合格率 新卒の合格率 既卒の合格率
東京柔道整復専門学校 129 98.4% 100% 50.0%
日本医学柔整鍼灸専門学校 102 64.7% 78.1% 31.0%
帝京平成大学ヒューマンケア学部 95 88.4% 90.1% 50.0%
森ノ宮医療学園専門学校 93 48.4% 73.1% 17.1%
関西健康科学専門学校 91 47.3% 82.0% 4.9%
呉竹鍼灸柔整専門学校 85 68.2% 73.3% 56.0%
福岡医健・スポーツ専門学校 85 55.3% 95.3% 14.3%
東京メディカル・スポーツ専門学校 82 74.4% 83.6% 33.3%
新潟柔整専門学校 82 74.4% 83.6% 33.3%
大阪ハイテクノロジー専門学校 77 37.7% 76.5% 7.0%
近畿医療専門学校 77 39.0% 82.1% 14.3%
東洋医療専門学校 77 79.2% 93.7% 14.3%
平成医療学園専門学校 76 71.1% 93.8% 32.1%
呉竹医療専門学校 74 74.3% 82.1% 50.0%
帝京大学 72 70.8% 76.9% 14.3%
日本体育大学 71 45.1% 47.3% 37.5%
福岡医療専門学校 71 100.0% 100.0% 0.0%
京都医健専門学校 70 71.4% 74.2% 50.0%

(出典:全国柔整鍼灸協同組合「第29回柔道整復師国家試験 学校別合格者状況」/https://www.zenjukyo.gr.jp/wp/wp-content/uploads/2021/01/school.pdf

多くの学校の受験結果を見ると、新卒受験者の合格率が既卒受験者の合格率を大きく上回っていることがわかります。なお、上記の他にも、専門学校は多く存在するので、カリキュラムや場所・通いやすさなどを確認した上で学校を選ぶことが大切です。

なお、多くの大学は4年制である一方で、専門学校はほとんど3年制であることも考慮しておくとよいでしょう。たとえば、早く学校を卒業したい方や金銭的な負担を減らしたい方は専門学校、免許取得に向けて余裕のあるカリキュラムでじっくりと学習したい方は大学を選ぶ傾向にあります。

【比較】あん摩マッサージ指圧師・鍼師・灸師の合格率

ここでは、柔道整復師と同じく、国家資格である「あん摩マッサージ指圧師」「鍼師」「灸師」の受験者数・合格率を比較します。

下表は、令和3年における3つの資格の試験結果です。

受験者数 合格率
あん摩マッサージ指圧師 1,295 84.1%
鍼師 3,853 70.0%
灸師 3,797 72.2%

(出典:厚生労働省「第29回あん摩マッサージ指圧師、はり師及びきゅう師国家試験の合格発表について」/https://www.mhlw.go.jp/general/sikaku/successlist/2021/siken13_14_15/about.html

上記3資格と比べると、柔道整復師国家試験の受験者数は4,561人、合格率が66.0%であり、柔道整復師国家試験のほうが受験者数が多く難易度が高いと言えます。

柔道整復師の国家試験は11科目の受験科目から出題され、「必修問題」と「一般問題」に分かれています。また、必修問題は8割以上・一般問題は6割以上正解する必要があり、試験範囲が広く高い正答率が求められるので、合格率にも影響していると考えられるでしょう。

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柔道整復師の合格率にまつわるトピック3つ

国家試験が始まった1992年から、柔道整復師を目指せる学校は年々増えており、柔道整復師を取り巻く環境も変化しました。

(出典:厚生労働省「柔道整復師学校・養成施設数、定員 年度別推移」/https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000106911.pdf

そのため、2017年に柔道整復師養成学校のカリキュラムに関する大きな変更が行われたことが知られています。この変更では、総単位数・臨床実習の施設や実施内容・専任教員の要件や人数が見直され、在学生だけでなく教員にも大きな影響が及びました。

(出典:厚生労働省「柔道整復師学校養成施設カリキュラム等改善検討会報告書」/https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10801000-Iseikyoku-Soumuka/0000144985_1.pdf

柔道整復師を目指す方は、試験勉強を行うだけでなく、業界を取り巻く状況や、次に紹介するような柔道整復師国家試験に関する情報を随時収集しておくとよいでしょう。

新卒と既卒の合格率の違いはなぜ?

一般的に、柔道整復師国家試験の合格率は既卒受験者よりも新卒受験者のほうが高い傾向です。新卒受験者の場合は、学校からサポートを受けられる他、仲間が近くにいるので高いモチベーションを保てるなどの理由により、合格率が高いと考えられます。

一方で既卒受験者の場合は浪人生として、翌年の試験に向けて基本的には一人で勉強に励むこととなります。そのため、自己管理やモチベーション維持の工夫を継続的に行うことが大切です。また、体調管理も怠らないようにしましょう!

昼間部と夜間部で合格率は変わる?

社会人として仕事をしながら柔道整復師を目指し転職を考えている方や、学費のために日中アルバイトをしながら夜に学校に通いたいという方も多いはず。柔道整復師養成学校のなかには夜間部を設けている学校もあるので、昼に働いて夜に学ぶことも可能です。

なお、昼間部と夜間部で合格率に差はないと言われています。自分の生活や働き方に合わせて、続けやすいコースを選ぶことが大切です。

可能であれば、学校見学などを行い、設備の充実度や在校生の雰囲気なども確認しておくとよいでしょう。

合格率100%の専門学校はある?

柔道整復師養成学校を選ぶ際、できれば合格率100%の高い実績を持つ学校を選びたいと考える方は多いでしょう。実際に、合格率100%の学校はあるものの、翌年も必ず合格率100%であるとは限りません。

また、柔道整復師国家試験は合格率7割以下の比較的難易度の高い資格試験なので、カリキュラムに遅れることなく、確実に学習を進め技術・知識を身につける必要があります。学校側のフォロー体制が整っているケースもありますが、最終的に合格できるかどうかは自分の努力次第。合格に向けて精一杯頑張っていきましょう!

まとめ

2021年度の柔道整復師国家試験は受験者数4,561人、合格率66.0%であり、関連資格であるあん摩マッサージ指圧師・鍼師・灸師などに比べ、難易度が高い傾向です。受験者数の増加とともに柔道整復師養成学校も増え、2017年には全国的に大きなカリキュラム変更がありました。

柔道整復師を目指す方は、試験勉強以外にも業界や試験を取り巻く状況について調べることが大切です。特に学校選びに関しては、柔道整復師国家試験の受験者数や合格率だけではなく、通いやすさやカリキュラムの充実度などにも注目するとよいでしょう!

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