柔道整復師の給与は安い?職場別の給与相場を解説

更新日 2023年11月07日 公開日 2023年11月07日

#年収・給料 #情報収集 #転職検討/準備

柔道整復師が活躍できる職場は接骨院・整骨院だけでなく、病院やクリニック、介護施設、スポーツ業界など多岐にわたります。そのため、就職先によって年収が大きく異なるのも柔道整復師の特徴と言えるでしょう。では、実際のところ、柔道整復師の給与相場はどのくらいなのでしょうか。また、看護師や理学療法士といった他の医療系国家資格と比較した場合、どの程度の水準にあるのでしょうか。

この記事では、厚生労働省の資料やマイナビコメディカルの実際の求人情報をもとに、柔道整復師の給与相場、他の医療系国家資格との比較などについて解説します。柔道整復師として、より待遇のいい職場で働きたい方や転職を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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柔道整復師の給与は安い?職場別の給与相場を解説

柔道整復師の給与は?

柔道整復師というと、接骨院や整骨院で働くイメージを持っている方も多いと思いますが、近年は高齢化の進行や健康志向の高まりによって、活躍の場がどんどん拡大しています。

接骨院・整骨院以外の主な就労先として挙げられるのは、医療機関の整形外科やリハビリテーション科、介護施設、スポーツ施設などです。介護施設で働く場合は機能訓練指導員として勤務するのが一般的で、スポーツ施設の場合はスポーツトレーナーという立場から、トレーニング指導やコンディショニングサポートを行います。

このように、柔道整復師は就労先が多岐にわたるため、職場によって患者さま、利用者さまの傾向や施術内容も異なります。また、給与体系や年収も職場ごとに違ってきます。ここでは、柔道整復師の給与相場や、他の医療系国家資格と比較した場合の水準について紹介しましょう。

柔道整復師だけの平均年収は公表されていませんが、厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、柔道整復師を含む「その他の保険医療従事者」の平均年収は、約423万円となっています。なお、「その他保険医療従事者」には柔道整復師のほか、あん摩マッサージ指圧師、はり師・きゅう師などの医療従事者が含まれます。

平均年収 約423万円
男性の平均年収 約436万円
女性の平均年収 約395万円

(出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2021/index.html

続いて、他の医療・介護職との比較を見てみましょう。

職種 平均年収
柔道整復師
(その他の保健医療従事者)
約423万円
看護師 約499万円
保育士 約382万円
理学療法士
作業療法士
言語聴覚士
視能訓練士
約427万円
栄養士 約368万円
介護職員 約353万円

(出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況」/https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2021/index.html

柔道整復師の平均年収は、看護師と比べて低いものの、リハビリ職である理学療法士、作業療法士とは同程度の水準となっています。ただし、約423万円という数字は、あくまで柔道整復師全体の年収相場であり、実際の待遇は経験年数やポジションによって変わってくることを理解しておきましょう。

また、他の職種に比べて看護師の年収が高水準になっているのは、夜勤の有無が影響していると考えられます。

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【職場別】柔道整復師の給与事情

先に紹介した通り、柔道整復師は整骨院・接骨院のほか、医療機関、介護施設、スポーツ業界など、幅広い職場で活躍しています。そのため、柔道整復師として働くみなさんのなかには、「ほかの職場の給与がどのくらいなのか知りたい」と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

以下では、柔道整復師の勤務先ごとの仕事内容や給与相場について解説します。なお、給与相場はマイナビコメディカルの求人情報をもとに算出したものです。

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整骨院・接骨院

柔道整復師の就労先として、まず挙げられるのが接骨院・整骨院です。接骨院や整骨院では、整復、固定、運動療法といった技術を使って、骨折、脱臼、打撲、捻挫などの応急処置や治療を行います(骨折・脱臼の治療には、医師の同意が必要です)。

ただし、施術の内容は院によって異なり、近年は外傷の治療だけでなく、スポーツのパフォーマンス向上を重視した院や、姿勢矯正・小顔矯正といった美容系のサービスを提供する院なども見られます。

整骨院・接骨院に勤務する柔道整復師の平均給与は、約276万~400万円です。

病院・クリニック

柔道整復師が病院・クリニックに勤務する場合、整形外科やリハビリテーション科に所属するのが一般的です。

整形外科で働く柔道整復師は、接骨院・整骨院と同様、骨折、脱臼、打撲、捻挫などを診察します。また、医師の診療の補助や医療機器の管理、医療備品の管理などが業務内容に含まれる場合もあります。

リハビリテーション科における柔道整復師の役割は、患者さまの運動機能、動作能力を回復させて、在宅生活への復帰や仕事への復帰を促すことです。具体的には、運動療法や物理療法(温熱療法、電気療法など、物理的エネルギーを治療に応用する方法)を用いて、歩く、座る、立つといった運動動作能力の維持・回復を目指します。

病院・クリニックにおける柔道整復師の平均給与は、252万~500万円です。

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介護施設

柔道整復師がデイサービスや特別養護老人ホームなどの介護施設で働く場合は、機能訓練指導員として勤務するのが一般的です。

機能訓練指導員の主な仕事内容は、利用者さま1人ひとりの心身状態に合わせて機能訓練やリハビリを行い、充実した日常生活が営めるように支援することです。健康チェックや機能回復訓練、集団体操、レクリエーションなどに加えて、機能訓練計画書の作成や評価、モニタリング、自主トレ指導、体力測定なども機能訓練指導員の業務に含まれます。

なお、介護保険法により、デイサービスや特別養護老人ホームなどでは、1人以上の機能訓練指導員を配置することが義務づけられています。高齢化が進み介護施設の数が増加すれば、介護業界における柔道整復師の需要は、今後さらに高まるでしょう。

(出典:厚生労働省「令和3年度介護報酬改定の主な事項について」/https://www.mhlw.go.jp/content/12404000/000753776.pdf

ただし、厚生労働省の調査からも分かるように、介護施設で働く場合は平均年収が下がる可能性が考えられます。そのため介護分野に就労する場合は、介護支援専門員(ケアマネジャー)などの資格を取得することで、キャリアアップ、収入アップを目指すのがおすすめです。ちなみに、介護支援専門員の受験資格を得るには、柔道整復師として5年以上の実務経験を積む必要があります。

(出典:厚生労働省「概要(介護支援専門員)」/https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-12300000-Roukenkyoku/0000114687.pdf

介護施設では、介護福祉士や看護師、理学療法士、作業療法士などさまざまな職種のスタッフが働いているため、接骨院や整骨院で働くよりも、他分野の知識・スキルに触れる機会が多くなります。介護や看護に関する専門的知識を間近で学べるため、自身のスキルアップにもつながりやすいでしょう。

柔道整復師の介護施設勤務における平均年収は234万~440万円です。

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スポーツ業界

柔道整復師は、スポーツ施設、スポーツチームなどでスポーツトレーナーとして活躍することもできます。

スポーツトレーナーはスポーツをする方たちを対象に、トレーニングの指導やコンディショニングのサポートを行う職業です。ストレッチやマッサージ、コンディショニングなどの指導に加えて、運動中に起きたけがの応急処置、競技復帰のためのリハビリ補助なども行うため、柔道整復師としての知識や技術、経験が役立つ場面は多いでしょう。

なお、柔道整復師や鍼灸師、あん摩マッサージ指圧師の国家資格を有していると、法的に医業類似行為(指圧、マッサージ、鍼灸、柔道整復など医業に類似した診察・施術行為)が認められるため、現役で活躍するスポーツトレーナーの多くが、柔道整復師や鍼灸師などの有資格者となっています。

(出典:厚生労働省「医業類似行為に対する取扱いについて」/https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/isei/i-anzen/hourei/061115-1a.html

柔道整復師がスポーツトレーナーとして働く場合の平均給与は、働く環境や実績、契約内容によって大きく異なるため、平均値を算出することが難しい状況です。スポーツ施設に勤めるだけでなく、プロのスポーツ選手やスポーツチームに年俸制で雇われるケースもあるので、興味のある方は求人情報などで条件を確認してみましょう。

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柔道整復師の給与を安いと感じる理由は?

柔道整復師の給与は理学療法士、作業療法士など、他の医療従事者の給与と同程度の水準です。しかし、実際に柔道整復師として働いている方のなかには「給与が安い」と感じている方がいることも事実です。

では、他の医療従事者と差がないにもかかわらず、「給与が安い」と感じてしまう理由はどこにあるのでしょう。以下では、柔道整復師が給与を安いと感じる理由について考察していきます。

拘束時間が長い

柔道整復師として接骨院・整骨院で働く場合、1日の実働時間は8時間程度が基本です。しかし、午前と午後の診療の間に休憩を長くとるケースが多いため(2〜3時間程度)、一般的な会社勤めと比べて拘束時間が長くなる傾向にあります。

また、シフト制の勤務体制をとっている職場であれば、土日祝日が休みにならないケースもあるでしょう。

加えて、柔道整復師は立ち仕事が基本で、忙しい日は何時間も立ちっぱなしになったり、同じ体勢をとり続けたりすることもあるため、体への負担は決して少なくありません。そうしたことから、柔道整復師のなかには「拘束時間が長いのに給与が安い」と感じてしまう方も多いようです。

勤務時間外も勉強が必要

柔道整復師は、日々進化する医療知識や技術に対応するため、常にスキルアップに努める必要があります。

そのため、勉強時間の確保や研修への参加などで、休日やプライベートの時間が削られる場面もあるでしょう。「休みはしっかりとりたい」という方は、そうしたことがストレスになり、「給与が安い」と感じてしまうかもしれません。

ただし、柔道整復師の勤務時間や給与は、職場によって大きく異なります。現状の給与や勤務時間に不満がある場合は、転職や独立開業よって収入アップを目指すのも1つの方法でしょう。

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まとめ

柔道整復師が活躍できる職場は幅広く、整骨院・接骨院のほか、病院・クリニック、介護施設、スポーツ業界などが挙げられます。柔道整復師の給与は、看護師と比べると低いものの、リハビリ職である理学療法士、作業療法士とは同程度の水準です。とはいえ、柔道整復師のなかには「給与が安い」と感じている方もいらっしゃいます。

柔道整復師の給与が安いと感じる主な理由としては、「拘束時間が長い」「勤務時間外も勉強が必要」などが挙げられ、職場の待遇による影響が大きいと考えられます。給与が安いと感じたときは、転職によってキャリアアップや給与アップを目指すのもよいでしょう。

柔道整復師として転職を検討している方は、ぜひマイナビコメディカルにご相談ください。業界に精通した専門のキャリアアドバイザー、求人のご紹介から面接対策、入職後のアフターフォローまで、みなさまの転職活動をしっかりサポートいたします。

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【関連リンク】マイナビコメディカルへのよくあるご質問

※当記事は2023年1月時点の情報をもとに作成しています

監修者プロフィール

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