医療事務になるには?主な民間資格・仕事内容・給料相場を紹介!

更新日 2023年11月30日 公開日 2023年11月30日

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地域医療の活性化や、医療サービスに対する需要の増加・多様化によって、医療事務の仕事に対する注目度が高まっています。

全国各地にさまざまな雇用形態の求人があるほか、結婚や出産、転居などを経験しても働き続けられる医療事務は、女性からの人気が高い仕事の1つです。とはいえ、近年は医療事務関連の資格が増えているため、「どの資格を取ればいいのだろう」と迷っている方も多いかもしれません。

そこで今回は、医療事務になるために必要な学歴や仕事内容、職場、給料相場について解説します。就職・転職に役立つ民間資格もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

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医療事務になるには?主な民間資格・仕事内容・給料相場を紹介!

医療事務になるには?

医療事務は、各種医療保険や医療カルテの取り扱いなど、専門性の高い知識を求められます。ただし、医療事務になるにあたって、特別な資格や免許は必要ありません。

では、どうすれば医療事務になれるのでしょうか。ここでは、医療事務として活躍するためのルートと、それぞれのポイントについてご紹介します。

【選択肢1】高校卒業後に就職する

医療事務を目指すにあたって、高校卒業後に医療・看護系の学校に進む必要はありません。また、高校での専攻が理系以外(専門学科や普通科・総合学科など)であっても、医療事務を目指すことはできます。

高校を卒業して、すぐに医療事務として働きたい場合は、「学歴不問」「未経験OK」の求人に応募するのがおすすめです。そうした求人では、実務経験よりもポテンシャルや人柄が重視されやすいので、「志望動機」や「自身の強みを現場でどう生かしたいか」といった点を明確にしておくとよいでしょう。

【選択肢2】大学・短大・専門学校卒業後に就職する

大学・短大・専門学校卒業後に医療事務として働きたい場合は、医療・福祉系学部を選ぶのがおすすめです。時間をかけてじっくり学びたい場合は4年制大学、短期間で実践的な知識を得たい場合は2年制の短大へ通うとよいでしょう。医療・福祉関連のサークルに所属して、ボランティアをはじめとする幅広い活動を経験してみるのもよいかもしれません。

より実践的な知識と経験を得たい場合は、医療事務に特化した専門学校へ通う方法もあります。専門学校の多くは1~2年制で、一度社会人として就職してから学び直す方もいらっしゃいます。学校や学科によっては、現場で実習を受けることもできるでしょう。

ただし、【選択肢1】で解説したように、医療・福祉系以外の学校からでも医療事務を目指すことはできます。

【選択肢3】学校を卒業後「資格」を取った上で就職する

高校や大学・短大などを卒業した後に、医療事務関連の民間資格を取ってから就職するのも、1つの方法です。近年は、医療事務系の資格取得に特化した民間スクールや通信教育講座も多く、ライフスタイルやキャリアプランに合わせて選ぶことができます。

医療事務関連の資格を取ることで、仕事に必要な基礎知識を習得できるため、就職・転職の面接などで、仕事への熱意をアピールできるでしょう。ただし、資格があるからといって、必ず採用されるわけではないという点に留意してください。

【関連リンク】医療事務の仕事内容|
1日の流れや働く方法も紹介

医療事務の主な民間資格4つ

勤務先によっては、資格を持っていることで、昇給などが有利になる可能性もあります。転職前に資格を取ることはもちろん、働き始めてからキャリアアップの一環として資格取得を目指すのもよいでしょう。ここでは、医療事務に関連する主な民間資格についてご紹介します。

●医療事務技能審査試験(主催:日本医療教育財団)

概要 医療事務技能審査試験は、医療機関での受付や診療報酬請求事務などのスキルを問う試験です。医療事務関係としては、国内最大規模の試験であり、合格者は「メディカルクラーク」の称号を得ることができます。
試験内容 学科試験、実技Ⅰ(患者接遇)、実技Ⅱ(レセプト作成・点検)
試験日(在宅試験) 医科:年12回(毎月1回)
歯科:年6回
合格ライン 3種類の試験の得点率がすべて70%以上
合格率(2021年) 医科:78.0%
歯科:69.2%

(出典:日本医療教育財団「医療事務技能審査試験(メディカル クラーク®)」/http://www.jme.or.jp/exam/mc/index.html

(出典:JQOS.jp 日本資格取得支援「医療事務技能審査試験(メディカルクラーク)【試験日】合格率や難易度」/https://jqos.jp/minkan/iryojimuginoshinsashiken-medicalclerk#p03

●医療事務認定実務者(主催:全国医療福祉教育協会)

概要 2016年に新設された医療事務認定実務者は、特に受付業務関連の知識を重視しており、初めて医療事務資格を取る人におすすめです。
試験内容 学科試験、実技試験(レセプト作成)
試験日(在宅試験) 年12回(月1回)
合格ライン 原則、学科・実技試験の正答率が各60%以上
合格率 おおむね60~80%

(出典:全国医療福祉教育協会「医療事務認定実務者(R)試験とは?」/http://iryou-shikaku.jp/exam/certified_practitioners.php

●医療事務管理士(主催:技能認定振興協会)

概要 国内初の医療事務資格である医療事務管理士は、主に医療保険制度や診療報酬についてのスキルを重視します。試験実施方式は、自宅で受けられるインターネット受験と会場受験の2種類です。
試験内容 学科試験、実技試験(レセプト作成・点検)
試験日(在宅試験) 年6回(奇数月の第4土曜)
合格ライン ・インターネット受験:学科・実技試験の得点率が合計70%以上
・会場受験:学科・実技試験の得点率が各70%以上、かつ実技試験のレセプト作成・点検が各50%以上

※会場試験の結果が不合格だった場合、学科・実技試験のいずれかが合格ラインに達していれば、その後半年間は科目免除

合格率 50%くらい

(出典:技能認定振興協会「医科 医療事務管理士®技能認定試験」/https://www.ginou.co.jp/qualifications/iryojimu.html

●診療報酬請求事務能力認定試験(主催:日本医療保険事務協会)

概要 厚生労働省から認可されている診療報酬請求事務能力認定試験は、ここに紹介した4種類の試験のなかで、もっとも難易度が高い試験です。診療報酬請求業務をはじめ、医療保険制度の概要、保険医療機関の基礎知識、介護保険制度の概要など、幅広い分野のスキルが求められます。
試験内容 学科試験、実技試験(レセプト作成)
試験日(在宅試験) 年2回(7月・12月の日祝日)
合格ライン 医科:学科75 点以上、実技85点以上
歯科:学科 80 点以上、実技83点以上
合格率(2022年) 医科:36.1%
歯科:33.9%

(出典:日本医療保険事務協会「第55回試験案内【2021.7】」/https://www.iryojimu.or.jp/guidance55/

(出典:公益財団法人 日本医療保険事務協会「試験実績」/https://www.iryojimu.or.jp/exam/records.php

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医療事務の仕事内容・職場

医療事務の主な仕事内容や職場は、以下の通りです。

【医療事務の主な仕事内容】

  • ・受付、会計業務
  • ・外来、病棟クラーク業務
  • ・診療報酬明細書作成、点検、請求業務(レセプト業務)

受付では、患者さまの保険証や診察券を確認した上でカルテを作り、診療後はレセプトコンピューター(レセコン)に診療内容を入力して、診療費を算出します。また、必要に応じて処方箋を作成し、会計時に患者さんに渡します。一連の作業にミスがあると診療費や今後の診療に影響が出るため、正確な処理スキルが欠かせません。

受付・会計業務のほかに、クラーク業務も医療事務の重要な役目です。外来クラークでは、患者さまに施設案内をしたり、次回の診療予約をしたりします。初診の患者さまには問診表を書いてもらい、診察券を発行します。病棟クラークでは、入退院手続きや手術・検査のスケジュール管理、面会者への対応などが主な役割です。

保険診療における患者さまの自己負担額は、診療費の1~3割で、残りは健康保険組合や自治体などに請求しなければなりません。その際、レセコンに蓄積された当月分の診療情報から、患者さま1人ひとりの診療報酬を算出し、レセプトと呼ばれる明細書にまとめた上で、内容に不備がないかを確認する作業がレセプト業務です。

完成したレセプトを審査支払機関に提出し、審査支払機関でレセプトの内容に問題がないと判断されると、健康保険組合などから診療報酬が支払われます。

【医療事務の主な職場】

  • ・病院、クリニック
  • ・保険調剤薬局、または調剤部門があるドラッグストア
  • ・訪問看護ステーション、訪問診療所

医療事務の主な勤務先は、病院やクリニックといった医療機関です。医療事務の仕事内容は、施設規模や入院設備の有無などによって大きく変わり、夜勤や休日出勤を求められることもあります。

歯科医院では事務仕事のかたわら、助手として歯科医師や歯科衛生士をサポートする場合もあります。また、調剤薬局では、調剤報酬を受け取るレセプト業務や受付・会計業務などを行います。薬局によっては、事務スタッフが薬剤師の仕事を手伝うこともありますが、自己判断での調剤や処方、投薬はできません。

近年は、在宅医療の需要が増えているため、在宅医療施設で活躍する医療事務も多くなっています。在宅医療施設で働く医療事務は電話対応が多く、介護請求の知識が必要とされる場面もあります。

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医療事務の給料相場

マイナビコメディカルの求人情報をもとに算出した、医療事務の給料相場は以下の通りです。

正社員 パート・アルバイト
月収:約19万~約23万円
年収:約266万~約286万円
時給:約1,020~約1,310円

正社員の平均年収を施設別に見ると、病院は約254万~約310万円、クリニックは約260万~約280万円となっています。また、調剤薬局は約233万~約261万円、訪問看護ステーションおよびその他の施設は約259万~約330万円でした。

医療事務の給料は、地域や施設規模、勤続年数などの条件によって変わります。賞与や各種手当を含めると、平均収入を上回ることもあるでしょう。医療事務としてしっかり稼ぎたいと考えている方は、賞与・各種手当といった条件についてもきちんと確認した上で、応募先を選ぶようにしましょう。

【関連リンク】医療事務の給料相場|
基本的な待遇や給料を上げる方法も解説

まとめ

医療事務として働くにあたって、特別な学歴や資格は必要ありません。ただし、民間のスクールや通信講座などを利用して関連資格を取得すると、医療事務の基礎知識を身に付けることができます。基礎知識に加えて、基本的なパソコンスキルやコミュニケーションスキルを身に付けておけば、就職・転職活動で好印象につながるでしょう。

医療事務の主な仕事内容は、受付・会計業務やクラーク業務、レセプト作成業務などです。実際の仕事内容や働き方は勤務先によっても変わるため、事前に職場の情報を確認した上で、求人に応募しましょう。

マイナビコメディカルでは、「未経験OK」から「経験者歓迎」まで、幅広い条件の医療事務求人を取り扱っております。その他、非公開求人の紹介や転職支援サービスも行っておりますので、転職が初めての方や効率よく転職活動を進めたい方は、ぜひマイナビコメディカルにご相談ください!

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