健康運動指導士とは?健康運動実践指導者との違い・合格率も解説!

更新日 2023年06月27日 公開日 2023年06月27日

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近年は、年齢や性別にかかわらず健康に対する意識が高まっています。また、食や医療など、さまざまな視点から健康に関する情報が発信されるなか、日々の「運動」が健康の維持・改善に重要な役割を果たすことも広く認知されてきました。そうした環境にあって、人々の健康を運動面から支えるスペシャリストとして活躍しているのが、健康運動指導士や健康運動実践指導者です。

この記事では、健康運動指導士と健康運動実践指導者の概要、両者の違い、資格取得方法、合格率について解説します。資格取得のメリットや活躍のフィールドなども紹介しますので、運動系の資格に興味のある方や新たなスキルの獲得を目指している方は、ぜひ参考にしてください。

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健康運動指導士とは?健康運動実践指導者との違い・合格率も解説!

健康運動指導士とは?

健康運動指導士とは、指導対象者の心の状態や身体の機能に合わせた運動プログラムや、安全かつ効果的な実践指導計画を作成・指導・管理する人、およびその能力を認定した資格です。生涯を通じた国民の健康づくりを目的とし、厚生労働大臣の認定事業として1988年に創設されました。

その後、2006年の医療制度改革で、生活習慣病予防の重要性が再認識されたことを受けて、健康づくりの専門家である健康運動指導士の需要も次第に増加。2007年には、健康運動指導士の養成カリキュラムや資格取得方法などが見直され、さらに専門的で幅広い知識を必要とされる資格になりました。

現在は民間資格の1つとして、「公益財団法人 健康・体力づくり事業財団」が資格取得に必要な講習会開催、養成校の認定、認定試験の実施、登録までを担っています。

(出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「健康運動指導士」/https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-020.html

健康運動実践指導者との違い

健康運動実践指導者は、医学・運動生理学の知識をもとに、安全かつ効果的な運動方法について直接人々に指導する能力を認定する資格です。「公益財団法人 健康・体力づくり事業財団」が資格の認定・管理を行う点や、健康のための運動を指導するという点では健康運動指導士と同じですが、両者には担当する役割において違いがあります。

健康運動指導士は、運動メニューやスケジュールを組み立てるところから、実際に指導・管理するところまでをすべて担当しますが、健康運動実践指導者は、すでに作成された運動計画に沿って現場で指導するのが主な役割。つまり、健康運動実践指導者は実践指導に特化した資格と言えるわけです。

健康運動実践指導者の資格認定試験には実技も盛り込まれており、運動指導の専門知識だけでなく技能や身体能力も重視されます。また、プログラムの対象者に直接指導を行うため、指導力やコミュニケーション能力も必要となるでしょう。

(出典:厚生労働省 e-ヘルスネット「健康運動実践指導者」/https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/exercise/ys-091.html

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健康運動指導士・健康運動実践指導者の資格を取得するメリット

健康運動指導士や健康運動実践指導者は、生活習慣病の予防や健康水準の維持・改善に関して、運動面から貢献するエキスパートです。栄養士や作業療法士、理学療法士の方がこの資格を取得すれば、それぞれの専門分野だけでなく運動面も踏まえた指導を行えるようになるでしょう。

例えば、栄養士の方が健康運動指導士の資格を取得した場合、食事と運動の両面から健康指導を行い、より効果的・効率的な健康サポートができるようになります。作業療法士や理学療法士の方なら、リハビリに対して運動面からのアプローチを行ったり、対象者と一緒に身体を動かしながら分かりやすく指導したりできるでしょう。

加えて、近年は特定健診・特定保健指導などの面からも、健康運動指導士や健康運動実践指導者への期待が高まっており、「新たなスキルを獲得したい」「運動系の資格に興味がある」という方にもぴったりの資格と言えます。

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健康運動指導士・健康運動実践指導者が活躍している主なフィールド

健康運動指導士、健康運動実践指導者の方が活躍する職場として最も多いのが、アスレチッククラブやフィットネスクラブなどの運動増進施設です。また、診療所、病院といった医療機関や老人介護施設、保健福祉施設、学校などの教育機関に勤務する方も多く見られます。

そのほか、スポーツ関連の団体や企業に所属したり、フリーランスとして活動したりする方も少なくありません。人々の健康意識が高まるなか、健康運動指導士・健康運動実践指導者に対する需要も増加傾向にあり、今後ますます活躍が期待できる資格と言えるでしょう。

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健康運動指導士・健康運動実践指導者の資格を取得する方法

健康運動指導士・健康運動実践指導者の資格取得には、養成講習会か養成校のカリキュラムを修了した上で、認定試験に合格する必要があります。

資格取得までの流れは下記の通りなので、興味のある方は確認しておいてください。

img

(出典:公益財団法人 健康・体力づくり事業財団「健康運動指導士とは」/https://www.health-net.or.jp/shikaku/shidoushi/index.html

(出典:公益財団法人 健康・体力づくり事業財団「健康運動実践指導者とは」/https://www.health-net.or.jp/shikaku/shidousya/index.html

講習会を受講するには、申し込みの段階で必要書類を提出しないといけないため、書類の準備もしっかりと進めましょう。また、健康運動指導士、健康運動実践指導者ともに、資格を維持し続けるためには5年ごとの更新が必要です。

健康運動指導士

ここでは、健康運動指導士養成講習会の受講資格、受講費用などをご紹介します。

受講資格(いずれか)

<40単位コース>
○日本スポーツ協会・日本フィットネス協会が認定する、下記いずれかの資格保有者
・スポーツプログラマー
・アスレティックトレーナー
・フィットネストレーナー
・GFIエグザミナー
・GFIディレクター

○健康運動実践指導者の資格保有者

<51単位コース>
○4年制の体育系大学卒業者(卒業見込み・教育学部体育学系を含む)

<70単位コース>
○下記の国家資格保有者
・医師
・保健師
・管理栄養士

<104単位コース>
○下記の国家資格保有者で、4年制以上の大学卒業者
・歯科医師
・看護師
・准看護師
・助産師
・薬剤師
・栄養士
・あん摩マッサージ指圧師
・はり師
・きゅう師
・柔道整復師
・理学療法士
・作業療法士
・臨床検査技師

試験形式 筆記試験(四肢択一・CBT方式)
受講料 40単位コース:133,650円
51単位コース:160,050円
70単位コース:213,950円
104単位コース:288,750円
受験料 13,619円
登録料 24,200円
登録更新料 22,000円

(出典:公益財団法人 健康・体力づくり事業財団「令和4年度健康運動指導士養成講習会開催要領」/https://www.health-net.or.jp/shikaku/shidoushi/youryou04.html

※表内の料金は2022年10月時点のもの(金額はすべて税込み)

講習会は前期・後期に分かれており、それぞれ開催期間は1カ月ほどですが、希望すれば通年でスケジュールを組むこともできます。ただし、年度内の全カリキュラム履修が基本となっており、年度をまたいだ受講はできないので、ご注意ください。

健康運動実践指導者

続いて、健康運動実践指導者養成講習会の受講資格・受講費用などをご紹介します。

受講資格(いずれか) ・体育系短期大学、体育専修学校、もしくはこれと同等以上と認められる学校の卒業者(卒業見込み含む)
・3年以上の運動指導経験者
・運動指導に関する資格保有者
・保健医療に関する資格保有者
・学校教育に関する資格保有者
試験形式 指導実技試験および筆記試験
受講料 137,238円
受験料 13,619円
初回登録料 24,200円
登録更新料 22,000円

(出典:公益財団法人 健康・体力づくり事業財団「健康運動実践指導者養成講習会開催要領・申込」/https://www.health-net.or.jp/shikaku/shidousya/youryou.html

※表内の料金は2022年10月時点のもの(金額はすべて税込み)

講習会は、講義16単位、実習17単位を3日間×3期(9日間)で履修します。実習科目を見学した場合は、単位が修得できなくなってしまうので、確実に参加できる日程を選びましょう。

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健康運動指導士の合格率は?

最後に、第151回(2022年度)健康運動指導士講習会の合格率を確認してみましょう。第151回の結果は、講習会修了者の合格率は50.9%~100%、養成校修了者は75.3%となっています。

区分 受験者数 合格者数 合格率
養成講習会 104単位コース 5 5 100%
70単位コース 19 18 94.7%
51単位コース 34 27 79.4%
40単位コース 42 36 85.7%
健康運動指導士養成校修了者 186 140 75.3%
286 226 79.0%
再受験者 57 29 50.9%
総計 343 255 74.3%

(引用:公益財団法人 健康・体力づくり事業財団「第151回健康運動指導士認定試験結果(令和4年10月27日~12月9日実施)」/https://www.health-net.or.jp/shikaku/shidoushi/kekka.html

講習会で多くの単位を履修した方の合格率が高いことから見ても、講習会に参加してしっかりと基礎知識を身につければ、合格できる可能性は十分にあるでしょう。

なお、2022年9月時点における全国の登録者数は、健康運動指導士が18,350人、健康運動実践指導者が18,557人です。まだまだ登録者が少ないことを考えると、今が資格取得のチャンスと言えそうです。

(出典:公益財団法人 健康・体力づくり事業財団「健康運動指導士・健康運動実践指導者登録状況」/https://www.health-net.or.jp/shikaku/shidoushi/touroku_jyokyou.html

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まとめ

健康運動指導士、健康運動実践指導者は、「個人個人の状態や身体機能に合わせて、安全かつ効果的な運動指導の技術を持つ」と認定された運動系の資格です。社会的に健康への関心が高まる中、健康運動指導士、健康運動実践指導者の需要は、ますます増えていくでしょう。

コメディカル職のなかにも、健康運動指導士、健康運動実践指導者の資格を取得している方がいらっしゃいます。将来の選択肢を広げたい方は、資格取得にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

また、「資格を生かせる就職先を探したい」「働きながら資格を取りたい」という方は、「マイナビコメディカルにお気軽にご相談ください。経験豊富なキャリアアドバイザーが親身にサポートいたします。

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※当記事は2022年10月時点の情報をもとに作成しています

監修者プロフィール

マイナビコメディカル編集部

 

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